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[T143] 私書箱

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「ストリートビューというサービス開始の日ー爆発的に増殖する深刻な問題を見つめて」(16):北口学

 英国ではまだ活発な議論が進行しているGoogleストリートビュー問題。サービスはスタートしていない。英国を代表する新聞各紙では数多くの課題や賛否が活発に議論され市民への問い掛けもなされて半年以上経過している。ドイツやフランス、イタリアを始めとしてすべての欧州諸国はプライバシーと人権問題に関しての多くの配慮と議論を考えながら、サービス開始をいまだGoogle社にさせてはいない。
 
 豪州でも「オーストラリアにやってくるぞ!」との報道が数カ月前からメディアで報道され、その賛否が活発に論議されてきている。
 Googleのストリートビューで子どもの安否を気遣う母親の記事も大きく報道されている。
 両国の国民は十分な情報を得ながら活発な議論を事前に行なう機会を得ている。先行して公開された米国の様子やサービスの中身を英語を母語としているからより深い理解を事前に得やすいという理由もあるだろう。

 一方、日本ではこのサービスの事前紹介もサービスの懸念も賛否も論議されず唐突にスタートし、多くの人々の人権を踏みにじるネット上の書き込みや使われ方が横行している。在日外国人の人の家や、被差別部落の地点を指し示す道具として、
 匿名ネット発言のいびつな発達を見せている日本のネット文化がそのような日本独自のGoogleストリートビュー活用の背後にある。

 多くの人々が個人攻撃や差別意識の発露としての差別書き込みに大きな苦しみを強いられている。
 市民のプライバシーや人権に関する議論は重要だ。

 無料翻訳サイトや翻訳ソフト、ベータ版のページ翻訳を活用して英国・豪州の報道に触れて見るのもインターネットテクノロジーの楽しみの一つか・・・・。世界が身近に感じられるかもしれませんよ。
 しかし、日本ではサービス開始前にまったくの議論も報道も無かったのって、取材拒否をしていると多くのメディアが言い始めているGoogleジャパンの体質に端を発しているのかな?

 世界中の人々が自然に懸念を述べている中で、「テクノロジーの発達を邪魔するな」という日本の賛成派・推進派の人々のネット上の発言は説得力が薄れます。深刻な人権問題が日本に現存しているという事実へ考えが至らず、ネット上の人権侵害事例に配慮や思考が及ばない悲しむべき欠落を感じます。
 「具体的なGoogleストリートビューが果たしているデメリットを述べよ。」と頭脳が動いてるのかどうか疑いたくなる悪意に満ちたみっともない長髪を掲示板に書き込む推進派の言動は「そのような現在進行形の人権侵害ケースをここで改めて提示することはさらに被害者を傷つける」という理性的な言葉に聞く耳を持たず。「ここで証拠出せないなら、論争の敗北者はおまえだ」と、品性の下劣さを感じさせる書き込みを繰り返している。

 なぜ、ネットで挑発的言辞や差別書き込みをする人々やITテクノロジー関連の著述業の人々はかくも人権や日本の文化、歴史に関する教養を欠落させているのかと考えてしまう。
 これは、アナログ文化が長い間積み上げてきた人権や文化に関する教養・知見・経験・情報・啓発がコンピューター世代にうまく継承できていない事が理由の一つかもしれない。
 人権や平和、反差別問題、障がい者問題などに取り組んできた人々にとって、(それは世代の問題でもあるだろうが)急速に発展したデジタル、インターネット世界が苦手な世代がほとんどという理由も影響していそうだ。
 人権への配慮や想起ができない著述者たちはきちんとした表現と人権、人権啓発、プライバシーと表現などの学習や教育をきちんと受けたことがない、そして技術系・理系・コンピューター関連情報に強いというだけで文筆に手を染め始めた人が多いからかもしれない。
 
 デジタル、インターネットの新技術が密接に人権問題と分かちがたい問題を提示しているとき、人権問題に関する知識や経験を身に付けた人々、先輩たちは苦手なPC世界だからと大事な知見が発揮されないでいる。定年を迎えてのんびりとしている世代かもしれない。一方、にぎやかに技術論や新機能を得意そうに論じている人々は人権に関する知見や教養、配慮の重要性をほとんど持っていない気がする。これらの私の感慨は改めて別の機会にきちんとしっかり考えて論じてみたいテーマではある。
 これは川瀬俊治さんの私の連載に対する暖かい感想をお書きいただいた読後に強く意識した問題でもある。
参考)川瀬さんの原稿
http://jnetmore.blog50.fc2.com/blog-entry-114.html

 自由・平等・平和・国際連帯・教育問題などに長年取り組んできたいわゆる全共闘世代やオルタナティブなより良い社会開発に取り組んできた世代が、40代以降の人々へ、きちんとした運動や哲学、思想などの継承を出来ていないところへ、アナログからデジタルへの急速な変化の時代がぶち当たってしまったようだ。
 反戦運動、学園民主化、各種学生運動や党派、セクトなどの有る意味、思索や社会というものを考えるために有効であったであろう一種のトレーニングシステムも壊滅していたし、次世代の継承を行なうチャンネルや場は失われていた(私個人はそのタイプのトレーニングシステムはやだから参加してなかったと思うが 苦笑)とも言い得るか・・・。
 私は図書館や書物が大好きで、アナログで蓄積された豊饒な知の集大成に大きな敬意を表している活字中毒人間だが、インターネット世界で出会う情報や著述の質のあまりにも貧相で低質なことにしばしばため息だ(人権や古典、歴史などという私の興味が向けられているジャンルしか知らないわけだが)。
 デジタル世界のすごさ、素晴らしい情報収集の安易さ、スピードには賛辞は惜しまない。しかし、一方であまりにも貧困なる側面に出会ってため息まじりになることも多々ある。
 それは匿名掲示板などで、人権問題や反戦平和、人権教育などのジャンルに多く感じている。
 知人にその気持ちを伝えると、
 「それは山奥の池でウミガメをさがすようなものさ。まぁ、最近では海ですらウミガメにはなかなかお目にかかれない。ことに匿名掲示板で・・・。苦笑」と言われたなぁ。

   ●    ●    ●

Google ストリートビューに関する英国の新聞報道

http://business.timesonline.co.uk/tol/business/law/article1893385.ece

http://technology.timesonline.co.uk/tol/news/tech_and_web/the_web/article1889866.ece

http://technology.timesonline.co.uk/tol/news/tech_and_web/article1870995.ece

http://www.guardian.co.uk/business/2008/may/13/google.digitalmedia

http://www.guardian.co.uk/media/2008/jul/20/googlethemedia.privacy

http://www.mirror.co.uk/news/more-news/technology-gaming/2007/06/04/big-bruv-fear-over-net-map-115875-19242163/

http://www.mirror.co.uk/news/top-stories/2008/08/12/google-earth-captures-drunken-man-passing-out-on-kerb-115875-20693921/

http://www.telegraph.co.uk/digitallife/main.jhtml?xml=/connected/2008/08/12/dlgoogle112.xml

http://www.telegraph.co.uk/digitallife/main.jhtml?xml=/connected/2008/04/03/dlgoogle103.xml

http://www.telegraph.co.uk/earth/main.jhtml?xml=/earth/2008/06/20/eastreet120.xml

http://www.telegraph.co.uk/digitallife/main.jhtml?xml=/connected/2008/07/04/dlgoogle104.xml

http://www.telegraph.co.uk/news/uknews/1989050/Google-street-view-maps-may-breach-EU-privacy-laws.html

http://blogs.telegraph.co.uk/claudine_beaumont/blog/2008/08/11/japanese_blogger_pleads_with_google_to_halt_street_view_rollout


Googleストリートビューに関する豪州の新聞報道

http://www.news.com.au/couriermail/story/0,,24137208-27197,00.html

http://www.news.com.au/couriermail/story/0,,24128806-8362,00.html

http://www.theaustralian.news.com.au/story/0,,24129794-26077,00.html

http://www.news.com.au/couriermail/story/0,,24133958-3102,00.html

http://www.news.com.au/dailytelegraph/story/0,,21826120-5013414,00.html

http://www.goldcoast.com.au/article/2008/08/05/14538_gold-coast-top-story.html?

★    ★    ★
「ジャーナリスト・ネット」は「人権ジャーナリストの会」と共催で下記のシンポジウムを計画中です。


「ストリートビュー問題大阪シンポジウム」
  
 ープライバシー・人権・ネット時代・Google社を考えるー (仮題)

10月27日(月曜日) 
大阪綜合生涯学習センター(大阪・梅田)にて

夜 6時〜9時 
第一研修室にて

〒530-0001 大阪市北区梅田1-2-2-500 大阪駅前第2ビル5・6階

資料代 800円 
高齢者、障がい者、高校生以下無料
(詳細は続報で)

人権ジャーナリストの会 メールマガジン
http://archive.mag2.com/0000269496/index.html
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