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寄稿 韓国ソウルの在外同胞映画祭報告;飯尾岳嗣

韓国ソウルで8月28−31日まで開催された在外同胞映画祭(中央シネマ(インディスペース)についてスタッフとして活躍した飯尾岳嗣さんから映画祭の模様を伝える報告を寄せていただいた。27日夜の前夜祭(韓国観光公社T2広場)では朴保さんのライブを中心に構成、期間中は在日コリアンを主題とした映画などが上映された。飯尾さんの報告を以下掲載する。


在外同胞映画祭にて、私日本人スタッフの飯尾が担当した主に担当した仕事を4つに分けると、

1、在日日本映画のプログラム。
2、映画祭技術担当。
3、監督、演者の招聘。
4、前夜祭ディレクター


となります。

プログラムに関して。
コンセプトとしては、昨年よりもテーマのはっきりした意味のある作品選出。
そこで、ドラマ性が強い作品よりもメッセージ性の強い作品を選出しました。
今年の映画祭のテーマの中心が移住ということもあり、日本で生活を基盤にしている在日の人達を描いた作品を様々なジャンルの制作方法で選出しました。
実体験を基にした学生の作品である「EGGS」、大阪府が製作し、一般公募のシナリオから作り上げた人権啓発映画「ホームタウン」、日本の現社会を舞台にした作品を多く手がける映画監督の作品から選び抜いた在日歌手朴保氏のドキュメンタリー「歌いたい歌がある」。
これらの作品は、共に海外上映は初の作品で各関係者の協力が積極的でした。
特に大阪府製作の「ホームタウン」に関しては、公的機関ということもあり映画祭の趣旨を説明することに時間がかかりました。

各書類の提出や最終的には日本の民団にも字幕確認をする等、一つの映画を上映する許可に関して公的機関製作作品の為に時間がすごく掛かりました。

その結果、大阪府製作の意図が伝わったのか、分かりやすいストーリー展開と日本人が多数見る韓国情報サイト「コネスト」への広報効果もあり(実際にこのサイトに日本に住む在日の人や韓国に住む日本人、在日の人からの問い合わせが多かったとの事後報告あり)公的機関の為に無料上映という形になりましたが、映画祭期間中で一番多くの観客数(約130席)を確保することに成功しました。

映画祭技術に関して。
上映素材がHD、DV、35ミリの3種類だった為、短編映画で種類の違う作品を重ねてしまうと画質やサイズの違いが明確になり、映画祭自体のセンスが問われると感じました。
短編であれば素材の統一の徹底、HD作品の増加を来年の編成内容に組み込みたいと考えております。
昨年の上映館に多数生じた音声等のトラブルは一つのなく、事前確認にも時間を使った為に期間中トラブルはまったくありませんでした。

次に招聘に関して。
実際に公式的に招聘した方は、朴保氏。
平和行事で日本からの出演依頼の多い朴保氏に直接交渉し、
日程を合わせてもらうことで
前夜祭と開幕式のライブが実現。
数年前に韓国で共にライブ経験のある韓国の「シンチョンブルースバンド」のオム・イノ氏と共にライブを実現したいという朴保氏の意向もあり、オム・イノ氏にも出演依頼。
映画祭の趣向と朴保氏のためならという理由で出演を即決していただく。
朴保氏の日本でのバンドメンバーのドラマーや、オム・イノ氏の後輩等、
日本人、在日、韓国人、6人による編成。
他にも映画「ホームタウン」製作担当、大阪府教育委員会 事務局の木谷氏、朴保ドキュメンタリー映画「歌いたい歌がある」田中監督、「EGGS」主演女優の方々がそれぞれ日本より直接来韓していただき、舞台挨拶にも参加していただきました。
共に海外での初上映のため、現地の観客の反応を見たいという理由でした。
実際には現地の韓国人、在日の観客のほか、夏休み最後の週ということもあり日本から見に来た観客も多数いて、その方々との意見交換も積極的に楽しんでいました。

前夜祭に関して。
朴保氏のライブを中心に構成された前夜祭では、当日までにバンド編成と曲目に時間が掛かりました。

全てのスタッフが揃ったのが、前日のリハーサル時という事もあり、心配されましたが、事前に韓国で「シンチョン ブルースバンド」のオム・イノ氏との打ち合わせをしていたため、リハーサル時にはトラブルもなく遂行。

当日は映画祭の前夜祭という行事の為に、朴保氏のドキュメンタリー「歌いたい歌がある」野外上映と共に進行。「Oh My News」によるインターネット生中継を通じて全世界に前夜祭の模様を伝えました。実際には同時に見てる人が多かった為、アメリカやオーストラリアで見れた人と韓国でも見ることが出来なかった人がいたという事後報告を聞きました。

問題点としては機材業者の管理担当等をスタッフ間で統一されていなかった為に、映画用のスクリーンと楽器設置場所の確認が出来ておらず、イメージ通りの設置が出来なかったことと、韓国観光公社にて行われ、平日での行事だったため、退勤時間までバンドのリハーサルが大きな音で出来なく、スタッフの準備不足を露呈してしまったことがありました。

来年以降は事前準備を担当者を統一して、直接会場に何度も足を運ぶ事を課題にします。
あとは、ネットやHP等以外での宣伝方法として、近郊で大きなイベント行われており、そこの客の流れを引き寄せたりするためにも当日会場近くで何が開催されているかの確認、駅近郊での的確な宣伝チラシ(ライブ時間等の明記)をもっと積極的に遂行すべきだと感じました。

実際にライブが分からず、映画の後にあることに気がつかなかった人が多かったらしく、より的確な宣伝が必要だと感じました。

在外同胞映画祭の前夜祭という意図をもっと明確にして、映画祭の宣伝映像を効果的に上映することも必要だと感じました。その為にも来年以降もスクリーンを使った映像による宣伝効果と共に前夜祭を実行したいと考えております。

来年以降の目標と課題

1、作品の質の向上。
今年のようにテーマをしっかり持った作品を上映する事は前提で、より興味を引くセンスのある作品の選定。国内や海外で開催される映画祭に積極的に参加したりする等、作品選定の為により多くの作品を時間を掛けて探すことや映画祭の認知度アップの為に日本国内での媒体窓口でもあるユニジャパン等への映画祭団体登録を行う。
2、ネット媒体以外での日本や海外、在外同胞つながりのある団体の方への宣伝の強化。
韓国内にある外国人コミュ二ティーセンターへの直接訪問等、ネット以外での宣伝方法を積極的に行う。
3、同胞映画祭の個性の為に映画上映以外のイベントの充実
日本やアジア、海外で移住文化が盛んな地域との交流イベントの実現による映画祭の価値向上と各国からの観客招聘効果向上が狙い。映画だけではなく、地域に密着した伝統音楽等を映画祭の特別行事として多数盛り込み、映画祭の個性を強調していきたい。
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