吉田智弥さんの個人誌「蛇行社通信」2月号に1月18日に開校した自由学校ポポロについてふれた一文が掲載されている。吉田さんの許諾を得て転載します。
「自由学校ポポロ」の建学の精神に「We shall overcome someday」という文句を掲げた。直訳では「我々は、いつの日か必ず勝利する」であるが、私流の意訳では「今に見てろよ、負けてなるものか」となる。
オバマ大統領が就任したことで、各マスコミは、キング牧師の「I have a dream」(私には夢がある)を何度も引用したが、よく知られているように、そのメッセージを発した当人は1968年4月に暗殺された。「夢」は生命の代償を必要としたのである。
もっとも、その18年後に、キングの誕生日に因んだ「祝日」を(白人多数派の抵抗を押さえて)設けるところが、アメリカ「民主主義」の懐の深さなのだろうが。
ハッキリしていることは、誰が大統領になっても、戦争国家アメリカの親玉に対しては反対の立場にたつ、ということである。誰よりもオバマ自身が、「change」(変えよう)の行き着く先が「一つのアメリカ(の再生)」であると語ってきたではないか。中身は国家主義の復権である。だからこそ共和党系との大連立が「成功」した。
当たり前の話だが、日本にも、キング牧師と同じように、自らの「夢」を語ってきた人たちがいる。その後に、同じように命を奪われた人たち。例えば次のような・・・
幸徳秋水(1911年・死刑)、菅野スガ(1911年・死刑)、大石誠之助(1911年・死刑)、高木顕明(1914年・獄死)、大杉栄(1923年・虐殺)、伊藤野枝(1923年・虐殺)、橘宗一(1923年・虐殺)、川合義虎(1923年・刺殺)、平沢計七(1923年・刺殺)、難波大助(1924年・死刑)、中浜鉄(1926年・死刑)、和田久太郎(1928年・獄死)、金子文子(1926年・獄死)、山本宣治(1929年・暗殺)、小林多喜二(1933年・虐殺)、鶴彬(1938年・獄死)、布施杜生(1944年・獄死)、尾崎秀実(1944年・死刑)、三木清(1945年・獄死)、樺美智子(1960年・虐殺)、浅沼稲次郎(1960年・暗殺)・・・・
上記は、もとより全体のごく一部である。今も墓標も定かでない人たちが、この数十倍数百倍もいるだろう。そんな無名の人たちの列にどこまで寄り添えるか。その思いを記憶し続け、語り続ける場になることが、「ポポロ」の夢になる。
私的には、樺さんが殺された日のことはよく覚えている。そのニュースは安保反対デモの終着点である大阪・梅田中央郵便局の前で聞いた。彼女の遺稿集『人しれず微笑まん』の中には「最後に笑う者が一番よく笑う」という言葉があったけれど、「We shall overcome someday」の決意が、そこに重なる。そのいつかの「よき日」のために、お互いを励ましあおう。それこそ「Yes, We can」を合言葉に。
誤解を避けるために言えば、「ポポロ」を政治的に運営していく予定はまったくない。
私たちが望むことは、ひたむきに生きてきた民衆の志を、時代をこえて引き継ぐことである。その立場から、権力に対する批評的な関係を持ちつづけたいと思う。
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