Entries

Ads by Google

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)
http://jnetmore.blog50.fc2.com/tb.php/64-5bb460f8

-件のトラックバック

[T54] 「昭和ラプソディ〜いま日本語を考える〜」9:笹田治人

 石川啄木の慟哭   この連載のタイトルは「昭和ラプソディ〜いま日本語を考える〜」だが、この原稿の元になっているのは、私がおしゃべりをしてい...

-件のコメント

コメントの投稿

投稿フォーム
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

「昭和ラプソディ〜いま日本語を考える〜」9;笹田治人

 石川啄木の慟哭

  この連載のタイトルは「昭和ラプソディ〜いま日本語を考える〜」だが、この原稿の元になっているのは、私がおしゃべりをしている「ならどっとFM」の番組「昭和ラプソディ」の中の、「美しき日本の歌〜珠玉の言霊を読む〜」という名前のコーナー。全体で約1時間のおしゃべり番組の後半の冒頭、約10分をこのコーナーに当てている。何を取り上げるか、正直なところ毎回が大変な作業。
  それでも続けているのはこのコーナーを聴いてくださる方々に、日本語の持つ素晴らしさを少しでも伝えたいから。私のコーナーを通して、日本語について何かを考えて欲しいと願うからにほかならない。私たちが何気なく使っている日本語という言葉は、こんなにも素晴らしい言葉だということを感じて欲しい、ただそれだけのことだ。

 ところで、近代の歌人がこのコーナーに登場したのは29回目の放送が始めて。理由は簡単で、私の知識不足。近代・現代の詩はそれなりに読んでいるつもりだが、近・現代の和歌についてはほとんど門外漢に近い。

 そんな近代の歌人で始めて取り上げたのは石川啄木。

 短歌にはあまり関心が無かった私だが、石川啄木の歌集は好きで、よく読んだ。

 26歳という若さでこの世を去った啄木は、有名な二冊の歌集を出している。最初の歌集は明治43年12月に東雲堂書店より出版された290ページの歌集、「一握の砂」。その冒頭に掲げられた和歌は、発表されてから百年近く経った今でも、おそらくほとんどの方がご存知だろう。

  東海の 小島の磯の白砂に
      われ泣きぬれて 蟹とたわむる


また 同じ歌集にある

  たわむれに 母を背負いてそのあまり
軽きに泣きて 三歩あゆまず


  はたらけど はたらけど 猶わが生活 
      楽にならざり ぢっと 手を見る


なども、よく知られた和歌だ。そして、これからもこれらの和歌は、人々の心に語り続けるだろう。

  この歌集「一握の砂」には明治41年6月から明治43年までに作られた551首が収められ、「我を愛する歌」「煙」「秋風のこころよさに」「忘れがたき人人」「手套を脱ぐ時」との題がつけられた五つの章に分けられている。先に挙げた三首はいずれも第一章の「我を愛する歌」に収録されたもの。

 この歌集、「一握の砂」が啄木の生前に出された唯一の歌集で、もう一冊の有名な歌集、「悲しき玩具」は彼の死の二ヶ月後に出版された。

  ところでこの啄木生前に出版された唯一の歌集は、彼の長男の出産費用捻出のために計画されたと言われてる。ところが、明治43年10月4日に誕生した長男の真一は、わずか二十日あまりを生きただけで、10月27日に亡くなってしまう。

 啄木は編集中のこの「一握の砂」の最後に、長男の死を悔やむ歌、八首を収めて歌集を締めくくる。まさか、この歌集にそんな歌を収めることになろうとは、夢にも思わなかっただろう。

  啄木は当時、東京朝日新聞に籍を置いていた。そして、仕事のために愛児の死に目に会うことが出来なかった。

  夜遅く 勤め先より 帰り来て
       今死にしてふ 児を抱けるかな

  二三(ふたみ)声 いまわの際に 微かにも
         泣きしといふに なみだ誘はる

  底知れぬ 謎にむかひて あるごとし
         死児のひたいに またも手をやる

  悲しくも  夜明くるまでは 残りいぬ        
         息きれし児の 肌のぬくもり
   

 これらの歌に解説は不必要だろう。歌人 石川啄木の慟哭が聞こえてくる。
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)
http://jnetmore.blog50.fc2.com/tb.php/64-5bb460f8

1件のトラックバック

[T54] 「昭和ラプソディ〜いま日本語を考える〜」9:笹田治人

 石川啄木の慟哭   この連載のタイトルは「昭和ラプソディ〜いま日本語を考える〜」だが、この原稿の元になっているのは、私がおしゃべりをしてい...

0件のコメント

コメントの投稿

投稿フォーム
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

Appendix

Language

プロフィール

Author:ジャーナリスト集団
FC2ブログへようこそ!

QRコード

QRコード